2月12日(金)の夜,私の所属している東京弁護士会内の任意団体(親和全期会)と,公認会計士の任意団体(清風会)との共同企画として,「弁護士から見た相続,公認会計士から見た相続」という研修会が行われ,不肖,私も,弁護士側の講師やパネリストとして参加させて頂きました。
講師としてお話しする時間はわずか10分間だったとは言え,聴衆は専門家ばかり。大変緊張致しました。
研修会に参加して感じましたのは,弁護士と,公認会計士・税理士とは,相続に対する基本的な姿勢が違うということ。
第1に,公認会計士と税理士は,「いかにして税金を安くするか」を最初に考えます。これに対し,弁護士は,「残される病身の子供の生活を守りたい」「家を守りたい」「事業を後継者に円満に引き継ぎたい」など,依頼者の気持ちを満足させるように取りはからうことを優先します。
第2に,公認会計士と税理士の業務は,相続紛争が起きないようにする,つまり,事前の予防が中心になります。これに対し,弁護士の業務は,事前の予防もありますが(遺言書の作成など),相続発生後,それも,いったん発生してしまったトラブルの解決(遺産分割や遺留分減殺請求など)が多い。
第3に,第1と第2にも関係しますが,公認会計士と税理士の依頼者は,「税金を安くしたい」というニーズを持つ人,つまり,将来,相続財産を相続人に与える側の人(被相続人)が多いのに対し,弁護士の依頼者は,被相続人である場合も相続人である場合もあり,どちらの立場に立つかによって,目指すべき解決策も違ってくる。
以前から漠然と感じていたことではありますが,ここまで視点が違うのかと,少し驚きました。