中尊寺で神道について考えた


 少し昔の話ですが,昨年10月,岩手県平泉にある中尊寺へ行きました。

 昔の依頼会社の創立20周年パーティーに出席した翌日,パーティーに居合わせた参加者の方々と一緒に,中尊寺近辺の遺跡やお寺を見学したのです。


 中尊寺と言えば金色堂が有名ですが,中尊寺の境内には,「白山神社」と呼ばれる神社も存在していることは,以外に知られていません。お寺の敷地内に神社があるのは,神様と仏様が同一視された神仏習合の名残でしょう。


 せっかく神社に来たのだからと,参拝していったのですが,このとき,親族が山陰地方の神社の神主をやっているという参加者の方から,以下のような話を聞きました。


  • 一口に神道といっても,出雲大社系と伊勢神宮系では違いがある。
  • 普通の神社では,注連縄(しめなわ)は右縫いだが,出雲大社をはじめ,出雲神道に連なる神社では,左縫いである。
  • 普通の神社では,二礼二拍一礼だが,出雲系の神社では,二礼四拍一礼である。
  • 伊勢神宮の御祭神である天照大神(アマテラスオオミカミ)は,神話では天津神(あまつかみ)に属するが,出雲大社の御祭神である大国主大神(オオクニノヌシオオカミ)は,国津神(くにつかみ)に属しており,神話上は,別系統の神である。
  • このたび,出雲大社の神官家(出雲大社では「出雲国造家」(いずもこくそうけ)」と言う。)の男性と皇族の女性が結婚することになったのは(高円宮典子様と千家国麿さんとのご結婚のこと。),自分たちには分からない大きな意味があるのかも知れない。


 東京に戻った後,で出雲大社のことについて少し調べてみたのですが,千家国麿さんは85代目で,千家家は,天皇家と並ぶくらい古い家系なのですね。


 神社は,「開運スポット」,「パワースポット」などとして捉えられがちですが,全国の神主さんから伺ったお話の内容をまとめたを読むと,神道というのは,「開運のためのツール」などとひと言で片付けられるようなヤワなものではないようです。