【質問】
借金で首が回らなくなったので,破産しようと考えているのですが,ご近所や職場には知られたくありません。どうしたら良いですか。
【回答】
案ずるより産むが易しです。個人破産の場合,案外,近所にも職場にも分からないものです。
【解説】
破産手続開始決定が出ますと,官報に掲載されるほか,債権者には,裁判所から,破産手続開始決定通知が届きます。また,破産したのが会社の場合,登記事項証明書には,破産した事実が載ります。
会社の場合,破産に伴って,お店を閉めたり,事務所を引き払ったりするでしょうから,その過程で,破産した事実が近所に知られる可能性はあるでしょう。
ですが,個人の場合,破産しても,住民票や戸籍の内容は変わりません。債権者でなければ,近所にも職場にも裁判所から連絡がいくことはありません。自宅があなたの持ち物の場合,原則として,自宅は破産手続中に売却されるので,いずれは引越をしなければならないでしょうが,それ以外の点については,当面の生活に変化はないと言えます。
というわけで,個人の場合,破産しても,近所や職場の人々は知らないまま・・・というのが,むしろ普通です。
近所などに知られるのを怖れる余りに,ギリギリまで頑張ってしまうと,破産するお金すらなくなって,「破産」を通り越して「夜逃げ」に追い込まれてしまいますので,気をつけましょう。