詐欺の話です。
「被害回復型詐欺」と言います。
手口はこうです。
詐欺師
「私どもは,詐欺被害に遭われた方達のために,被害金を取り戻すお手伝いをしております。『〇〇法律事務所の〇〇弁護士』とも提携しております。
しかしながら,被害金を取り戻すにも,活動資金が必要です。
つきましては,『弁護士』からお預かりした委任状をお渡ししますので,ご記載の「上,着手金〇万円を指定口座にお振り込みください。」
・・・数ヶ月経過しても,音沙汰なし。
被害者,『弁護士』の法律事務所に電話する。
被害者
「もしもし,以前,そちらの弁護士さんに,被害金の取り戻しを依頼した〇〇と申しますが,〇〇弁護士さんに代わって頂きたいのですが。」
法律事務所
「こちらには,そのようなお名前の弁護士はおりませんが。」
被害者
「え・・・,でも,確かに,あのとき,『〇〇法律事務所の〇〇弁護士』と言われたのですが。」
法律事務所
「そのように言われましても,当事務所には該当する者はおりませんので。」
被害者
「・・・(欺された)」
被害者,詐欺師から教えてもらった連絡先に電話してみると,
「この番号は,現在使われておりません。」
というメッセージが流れ続ける。
大体,以上のようなパターンが多いです。
実在する法律事務所の名前を使い,「〇〇弁護士」の名刺まで作っていることもあり,手が込んでいます。
なかには,大手法律事務所の名前を騙って,セミナーや講演の呼びかけをするグループまであるとか。
さて,名前を使われる弁護士にとっても迷惑な話ですが,「弁護士」の名前が出てきたとき,その「弁護士」が本物かどうかを見分ける方法があります。
「弁護士と提携している」という話が出てきたら,
「その弁護士の所属弁護士会と登録番号を教えて下さい。」
と聞いてみましょう。
「ちょっと調べてみます」とか言ってその後の連絡がなくなるようなら,
詐欺の話だったと思って間違いありません。
「弁護士」に限らず,「専門家と提携して」という話が出てきたら,
用心した方がいいかもしれませんね。
「弁護士」の端くれである自分にとっては,嬉しくない話ですが。