先日出席した越純一郎さんの講演で、「誰も語らなかったアジアの見えないリスク」という本が紹介されていたので、注文して読んでみる。
よくもまあ、こんなに「失敗例」が集まったものだと、感心した。
アジア進出を考えている企業は、まずは本書を読んでおくべきだろう。
「アジアに進出した企業は、現地に生息する「日本人コンサルタント」に欺されるケースが多い」といった知識を知っているだけでも、資本をドブに捨てるような失敗はかなり減らせるはずである。
ところで、本書の中で、「成功の影には、たくさんの失敗があるが、それはなかなか表には出てこない」というような記述があった。
きっと、本書がテーマとしているアジア進出に限らず、人口に膾炙している成功物語の背後には、たくさんの失敗があるだろう。ただ、それが表に出てくることは少ない。
だから、例えば、ある「カリスマ〇〇」が成功譚を得意げに語っていても、きっと、同じくらい失敗もしているはずだし、語られた内容が時期・場所を問わず正しいとも言い切れないから、語られた内容を盲信するのではなく、自分自身で主体的に考え、判断するようにしなさい・・・
私は、本書から、そのようなメッセージを受け取った。