金融デリバティブというのは、イマイチ内容が分かりにくい。
昔、「金利スワップ型デリバティブ」という契約を巡るトラブルに関し、
某メガバンク相手に裁判をやったときも、契約の仕組みを理解するのに、ずいぶん苦労したものだ(結果は、依頼者に有利な内容で和解できた)。
さて、今は、円高だということで、金融機関と「為替デリバティブ」契約を結んだ企業側の被害が拡大中らしい。
潜在的な被害企業は多数存在すると思われ、力を入れている法律事務所も現れてきているが、「過払い金」に比べると内容理解が難しいからか、今のところ、新聞、雑誌やテレビではあまり取り上げられていないようである。
というわけで、本書は、為替デリバティブ被害からの救済を考える際に参照すべき、数少ない書籍である。
今のところ、弁護士の手による本として、容易に入手できるのは、本書ぐらいだろう。
もっとも、本書を事務員に読ませてみたら、
「契約の内容の説明が良く分からなかった」と言っていた。
デリバティブ初心者向けに書かれた本書にして、これである。
それだけ金融デリバティブは分かりづらい金融商品なのだと再認識した。