私が前に勤務していた法律事務所の所長で、私のお師匠である、村松謙一弁護士(ここでは、「師匠」と呼びます。)の最新の著書「いのちの再建弁護士 会社と家族を生き返らせる」(角川グループパブリッシング)が出たので、読んでみました。
第1章で出ていた東北地方の卸売業者さん、懐かしいなあ。
カラオケと温泉が大好きだったあの社長さん、いつも飄々としていた専務さんはお元気だろうか。バンクミーティングでは厳しいことを言うけれど、1対1で相対すると楽しげにおしゃべりしながら会社の再建方法を一緒に考えてくれていた某銀行の部長さんは今ごろどうしているだろうなどと、その頃のことが色々思い出されました。
第4章で出ていた、師匠の生い立ちは、本人からお話しを伺う機会があまりなかったので、新鮮でした。
「子供の頃、ガキ大将だった」というのは、さもありなん。若い弁護士は腹を空かせているだろうからと、ごはんのとき、私を含めた勤務弁護士にいつもたくさん食べさせようとしていた当たりは、確かにガキ大将っぽい(笑)。
受験生時代、かけそばを食べるのに苦労していた当たりは、自分も似た経験があるので、親近感を覚えます(ちなみに、自分の受験生時代に2000円で買ったスポーツバッグは、今でも現役として役立っています)。
本書では、最愛の娘を失った話など、読んでいてつらいこともたくさん書いてあります。自分でも、きっと、本書でいうところの「かさぶた」をひっぺかえすような思いをしながら書いていたはずです。
でも、そういったことも含め、本として世に出したというところに、本書にかける思いが感じられます。
本書では、会社再建の技術的な側面についてはあまり触れられていないので、そちら方面で期待すると空回りするでしょう。
ですが、会社再建というのは、大変だけれどもやりがいがあるというのは、本書を読めば充分に感じ取って頂けるでしょう。