昨年は平城京遷都1300周年だったとかで、マスコットキャラクター「せんとくん」が登場するなど平城京が脚光を浴びた年だった。
翻って平安京だが、平安時代は奈良時代に比べて文献資料が少ないし、平城京に比べて平安京の発掘も進んでいないので、今ひとつパットしないイメージがある。
だが、平安時代は、その後の日本を長らく支配することになる「武士」階層が発生し、「ひらがな」も成立するなど、政治的にも文化的にも大きな影響を後代に及ぼした時代でもある。本書は、そのような平安時代について、朝廷、地方社会、文化、対外関係等から多面的にかつコンパクトにまとめた概説書である。
ページ数の割に分量は盛りだくさん。新書だから値段も安いし、お買い得だ。